2012年10月28日
今週は過激なニュースが週末の新聞・テレビで沢山配信されています。
リマ市が進める市内の改良事業で、Victoria地区のLa Parada市場という青果市場施設をSanta Anitaという新しい場所への移転が決められ、市が現施設を一時的に閉鎖する為に市場へのアクセスを制限するコンクリート製の障害物を設置しようとしたところ、地元住民や市場の商店主達がこの動きに反発し、投石などで抵抗し、市側の要請で出動した警察と衝突、二人の死者と百人以上の怪我人を出す騒動に発展した上、隣接の衣料品市場で略奪が発生するなど、極めて不穏な状況に陥っています。
http://www.youtube.com/watch?v=LuBQ6LPxxIQ
この騒動は日曜の今日も続いており、テレビでも実況中継が流されていますが、先の鉱山問題で揉めたペルー北部のカハマルカ地区での騒乱と似たような事態に陥っています。
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新設備そのものは既に完成し、稼働準備も行われていますが、当然の事ながらこの移転で不利益を被る人達が大勢おり、半ば強制的に施設の移動を実行しようとした結果、こうした暴動が発生してしまった訳ですが、こうした動きは成長著しいペルーにとって、通らなければならない関門であるとも言えますが、こうした模様が頻繁にメディアで流れると、一般市民の中には便乗して略奪に加わろうとする動きすら出てくることになります。
La Paradaという地名は、邦訳すると停車場という意味になりますが、そもそもバスの停車場であった場所が市場として栄えるという典型のような場所でもあり、地元住民からは永年愛用されていたものの、年々悪化する道路の渋滞状況などを緩和する為には、こうした施設の移転もやむを得ないことではあるものの、如何に円満に移転を行うか?というのは東京の築地市場の移転問題を観ても、簡単な話ではないようです。
ペルーが更に繁栄して行くためには、今後もこうした問題と直面することになる訳ですが、かつて新幹線や東名高速道路等の建設で立ちのきを強いて発展に結び付けた日本の経験を活かすことができないか?と考えるものの、先ずは貧民層の生活改善の為にも、こうした騒乱が前向きな投資の動きを停止しないよう、政経一体となってリードして欲しいと思います。
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