2013年2月16日
今週のペルーの新聞は、まずローマ法王の生前退位の話題でほぼ毎日一面を飾りました。さすがカトリックだけで国民の九割を示すお国柄。
今回退位されるベネディクト16世は、2007年にブラジル、昨年メキシコとキューバを訪問していますが、ペルーには行幸されていません。先代のヨハネ・パウロ二世(スペイン語ではJuan Pablo II=フアン パブロ セグンド)は1985年にペルーを訪問されており、そのこともあって未だに圧倒的な人気を誇っていますが、ベネディクト16世(スペイン語でもBenedicto XVI、読みは英語とほぼ同じ)は馴染みという点では、必ずしも庶民の支持を得ている様には見えませんでした。昨年12月12日にTwitterを開始したことで、一躍話題を集め、そして今回の約700年ぶりの生前退位ということで、その人柄に関する内容や、次の法王が南米から選出されるのではないか?との期待や推測も含め、色々な報道がなされています。
この御退位報道でかすんだかに見えたもう一つのビッグニュースがHumala大統領一家の南極(Antártida)訪問でした。
昨今の領土紛争(当地ではボリビアとチリの間が一番の話題です)にひっかけ、「Mayor presencia en la Antártida es importante para los intereses nacionales(南極での存在を示すことが国家にとって重要)」との触れ込みで、先週末から家族で南極に出掛けた訳ですが、丁度この時期にペルー各地(特に山岳地帯)で大雨が降り、その影響でArequipaをはじめとした山間部の都市だけでなく、地上絵で有名なNasca地区でも瞬間の洪水で多くの住民が家を失い、大きな社会問題に発展しました。
http://www.andina.com.pe/Espanol/noticia-mayor-presencia-la-antartida-es-importante-para-los-intereses-nacionales-447169.aspx
丁度この時期に家族で南極旅行を楽しむかのような報道がなされた為、この訪問に対する疑問の声があちこちで上がり、一家は火曜日に急遽帰国、翌水曜日には被災地Arequipaを訪問する、という迅速な対応でいわゆる批難の炎上を食い止めました。
ただ、南極訪問に疑問を呈して声を上げ続けているのが、最近小生が気に入っている無料新聞(いわゆるフリーペーパー)"publimetro"紙です。 ¿Es importante la Antártida para el Perú?
この新聞、渋滞の道端や通勤・通学の人の流れの多いところで配っているもので、紙面は16ページ、サイズも小さめですが、ComercioやGestiónといった大手メディアとは異なった視点で情勢報道を行っていて、如何にも庶民目線のメディアといった雰囲気です。
ペルーの災害は洪水にしても地震にしても、一過性のもので暫く経つと忘れられる感じが強いのですが、こうした自然災害は今後もなくならないものであり、南極対策以前に是非とも力を入れて対応して欲しいと誰もが思っている様です。
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