2010年5月22日
先週、大統領によって並行為替市場が停止されたことをお伝えしました。
今週はこの動きが更に過激になり、並行市場を形成せしめていた証券会社の活動そのものの、停止が大統領によって命じられました。
こうなっても、街は比較的平穏を保ち、市民生活もとりあえず平常の通り、水不足と電気不足のまま淡々と営まれています。
ただ、新聞やラジオ・テレビでは40億ドルとも言われる交換市場(mercado de permuta)が停止されたことで、今後大幅なモノ不足が発生する、と懸念するコメントが多く発せられています。
もともと政府公定為替レートであるBs.F2.60/$(食品・医薬品用特恵レート)やBs.F4.30/$(その他輸出入適用一般レート)のいずれも、外貨不足に喘ぐ中央銀行にとっては簡単に交換に応じられるものではなく、全物資の7割以上を輸入品に依存するベネズエラの、実に50%以上がCADIVIを通じない並行レートで決済されていただけに、単純に言えば町中のモノの半分が輸入できなくなる事態であり、特恵レートが廃止され、突然あらゆる商品が町中から消えた'89年1月(その後大暴動に発展)の再来とまでは行かないものの、ジワジワと市民生活を圧迫するとの声が多く聞こえます。
欧州資本の大型スーパーMacroの店舗では、貧民用に国が作り出したクーポン券(現金と同等の価値を持つ商品券)の引き受けを停止、これが違法として営業停止を命じられました。
今週のもう一つの大ニュースはChipo(チポ)=病害虫に関するもの。これまでもマラリアやデング熱の感染拡大を訴える報道はありましたが、今回はこれにサシガメという吸血カメムシが加わり、これを媒体とする病原虫が心臓や肝臓の疾患を引き起こすとして、毎日 新聞に関連の記事が掲載されています。
El chipo no discrimina lugar para quedarse (チポは今やどこにでも発生)
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このサシガメによる病気をChagas(日本ではシャーガス、こちらの発音ではチャガス)病というそうで、経済機能を停滞させるチャベス病に加えて人体機能を低下させるチャガス病の両方に悩まされる状況が暫く続きそうです。
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