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執筆者の写真Kaz Suzurida

ベネズエラの言葉  Jerez(ヘレス)=シェリー酒   英:Sherry

2012年1月7日

新しい年、2012年が明けました。本年も宜しくお願い致します。

さて、御屠蘇気分も抜けた感じではありますが、成人の日も近いので今回はお酒の話。ベネズエラに限らず、レストランに行くと最初に「何を飲むか?」(Que va a tomar?)と訊かれます。

日本では「先ずビールから」というのが一般的ですが、ベネズエラではいきなりウィスキーから始めるというパターンが多く見られます。(ウィスキー個人消費量世界一!) しかもシングルでも大きなグラスに半分以上、ダブルというとグラスになみなみ、水を入れる余地のない程気前よく注いでくれるので、いきなり酔っぱらってしまう、ということになりかねません。

そこでお勧めするのがJerezです。

ヘレスは日本ではシェリー酒として知られていますが、年末の新聞のオマケ雑誌(当地の新聞は日曜版にはオマケが付いて、その分料金が高くなる)に「El Jerez」という特集記事が掲載されていて、何となく飲んでいたシェリー(ヘレス)の正体を知ることができたので、御披露します。

Jerezというのはスペイン・アンダルシア地方で作られる白ワインの一種で、フランス・シャンパーニュ地方で作られる発泡ワインのみがシャンパン(Champagne)を名乗れるのと同様、このヘレス周辺地区で作られたもののみがシェリー(英語)またはヘレス(スペイン語)と名乗れるということです。

ベネズエラではJerez=Tio Pepe(銘柄の一つ、超ドライ)という程、固定化されたイメージのヘレスですが、貴腐ワインのように甘い銘柄も存在するようです。

最近のベネズエラで、ビールを頼むと伝統的ピルゼン製法のPilsnerの他に、Soleraという新しいビールを勧められることがよくあります。

このSoleraという単語、以前西和辞書で引いたところ「伝統・格式」と出てきたので、ビール会社Polar社が新しいビール(日本で言う発泡酒)を売り出すのに、変な名前を付けたものだと勝手に解釈していました。しかし、今回の特集記事を読んで判ったのは、Soleraというのは熟成したヘレスのことで、ヘレスを醸造する際に樽を三段に重ね、新しいものを一番上に、熟成を重ねる毎に段を下げ、一番熟成した良いモノが一番下段に置かれて、これをSoleraと呼ぶというそうです。

📷 📷 Jerezの樽積み、下段がSolera

つまり、シェリー(ヘレス)文化が浸透しているからこそ通じるネーミングであり、ヘレスを知らない日本人として、今までSoleraを「伝統・格式」と単純に紹介していたことを恥じ入りました。

南米のどこの国に行っても、Soleraというネーミングの別の酒類に出会ったことはまだありません。流石食通で鳴らすベネズエラならではの(他の国から成金呼ばわりされた)粋な商品名である、と改めて感心した次第です。

冒頭御紹介しました通り、Jerezはスペイン製しかありませんが、ベネズエラ特産のお酒としてRon(ロン=ラム酒)があります。

カラカスから車で1時間ほど西に行くと、Santa Teresaという銘柄のRonの工場があり、観光用見学ツアーも用意されています。実は今週木曜日に午後半休を取って当地訪問中の長男を連れて行ってみたのですが、平日にも拘わらず、見学ツアーは既に予約で一杯で、残念ながら公園で出来たてのラムカクテルを飲んで帰って来ました。

また、更に西に4時間以上進んでBarquisimetoという街にビールのPolar社がフランスのMartel社と共同で20年以上前に設立したPomarというワインの醸造工場があり、ここも見学ツアーを行っています。ただ、Santa Teresaの見学は毎日行われているのと違い、Pomarの見学は年に数回しか行われませんので、事前に時期を確認した上で、予約することが必要になります。(Santa Teresaも予約は必要なようですが。)

今週の大統領: 昨年11月にミス・ワールドの栄冠に輝いたIvian Sarcosさんが大統領府を訪問、チャベス大統領の熱烈な歓迎を受けました。El Universal紙によると、ミスコン受賞者が大統領府に招待されるのは、13年間で初めてとのこと。

📷

今年は10月7日に大統領選挙があり、今朝も反対派候補の集会を知らせる街頭宣伝車が大きな声で走り回っていますので、選挙に向けて益々騒々しくなることが予想されますが、こう言う時こそジックリと腰を据えてJerezの瓶でも空けながら情勢分析を行いたいものです。

本年も宜しくお願い致します。

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