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執筆者の写真Kaz Suzurida

ベネズエラの言葉 Freno(フレーノ)=ブレーキ

2009年10月18日

今回も政府寄り新聞Ultima Noticiasの一面見出し(10月16日)から。 曰く「Piden frenar "terrorismo laboral"」(労働テロに歯止めを依頼)。Fedeindustria(ベネズエラの経団連)会頭が、ベネズエラの産業を弱体化させている最大の懸念事項として、労働者グループによるテロ活動を挙げて、「この問題の解決を見ないことには、産業の活性化は期待出来ない」とのコメントを載せています。 労働者によるテロ活動というのは、給料引き上げや1日6時間への労働時間の短縮、更にボーナスや休暇日数の積み上げを求めてストライキや労働争議を起こすことで、既に反政府系の"El Universal"や"El NAcional"では頻繁に取り上げられている話題ですが、政府寄りと言われるUltima Noticias紙がこの問題を一面で取り上げるのは珍しく、しかも政府に批判的なFedeindstrial会頭の言葉をそのまま掲載するというのも異例のことのように思われます。 言論統制を強化し、政府の方針に逆らうメディアの取り潰しに躍起となっている今のベネズエラで、体制寄り新聞ですら、この社会問題を取り上げたことには、この問題が如何に深刻であるか、ということの象徴的事例であると思う反面、既に同紙インターネット版からはterrorismo laboralという単語が出る記事が前面削除された模様で、紙面検索をかけても「件数0件」となってしまうところが今のメディア管理の恐ろしい部分です。 http://www.ultimasnoticias.com.ve/capriles/cadena-global/cadena-global.aspx?idc

今日の言葉Freno(ブレーキ)は冒頭の一面見出しでfrenar(ブレーキをかける、抑制する)という動詞として使われています。カリブ海岸のMaiquetia(マイケティア)空港やLa Guaira(ラガイラ)港から一気に標高900mのカラカスまで上り下りするダンプやトレーラーにはfrenoの抑制が効かなくなって、崖から落ちたり追突事故を起こすケースが以前は多くありました。最近は日本のいろは坂などで 見られるようなブレーキ故障対応の緩衝路側帯が何箇所か設置され、以前のような大事故は減っているようです。労働テロに対しても、このような緩衝の工夫を政府が早急に行ってくれることを願うばかりです。

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