2011年6月26日
先週から今週にかけて、大変な問題になっているのが、El Rodeoというカラカス東部にある刑務所での暴動鎮圧を名目とした虐殺事件です。何人の受刑者が殺されたか?等の詳細は一切報じられていませんが、刑務所内部で武装した一部の受刑者と管理側とで相当な銃撃戦があった模様です。
反対派議員たちの国会での抗議報告によると、収監されている受刑者の多くは正式な有罪判決を受けずに刑務所に入れられた若者が多い一方、刑務所内部では銃や麻薬が蔓延している野放し状態であり、一旦問題が発生すると武力で鎮圧を図るのがこの刑務所の流儀とのこと。
勿論、政府側は反論していますが、大統領や大臣の悪口を公言しただけで罪になる今のベネズエラでは、一般の常識では考えられない理由で投獄されている人たちが少なからず居るのも事実のようです。
おなじみEl Universalの漫画家Raymaさんの今週の傑作は泥棒(Robo)に会って、これをお上に告発(Denunsiar el Robo)しに行ったらそこに同じ人がいた、というもの。泥棒が権力の座についている、という強烈な皮肉ですが、こうした作品を繰り出している彼女の身の安全がいつまで守られるのか?心配になります。
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この一連の刑務所問題報道に関し、「反対派の捏造である」とする政府の代表、Jaua(ハウア)副大統領が、責任の所在を明らかにする、として二年前に閉鎖を命じたGlobovision(反対派のテレビ放送局、地上波を停止された為に衛生放送を実施中)を一番に取り調べる、と宣言しました。(チャベス大統領は骨盤膿瘍手術から二週間経った今もキューバで療養中)
一方、カラカス旧市街の目抜き通りでは、INFRACTOR URBANO(都会の違反者)というポスターを貼られた商店が、営業停止を命じられています。
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最後にチャベス大統領の近況ですが、昨日のTwitterで「娘や孫がキューバに見舞いに来てくれることになり、嬉しい」という書き込みをしています。
また、政府系Ultimas Noticias紙にはベネズエラ国旗ジャケットを着込んでカストロ兄弟と写した記念写真を掲載しており、手術後の経過が順調であることを強調しています。ただ、帰国までにはまだ時間がかかりそうで、独立宣言200周年を祝う7月5日の独立記念日にベネズエラに戻っているかどうか?が健康状態を測る目安になると思われます。
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