2011年7月9日
久々にチャベス大統領が帰ってきました。7月5日の独立記念日の前日4日に突然テレビに登場し、元気な姿を国民に披露していました。
この4日は、6月30日のハバナからの病状告白放送の翌日に発せられた官報で急遽国民の休日になって、元々祝日の5日も併せ週末が四連休となったものですが、どうやら大統領はより高い視聴率での凱旋放送を狙って休日化指令を出したようです。
📷 大統領府から帰国の報告をするチャベス大統領
日本では各地で梅雨明け宣言が出ているようですが、ベネズエラでは断続的に降雨が続いており、相変わらず各地で豪雨による地滑りや道路の陥没被害が多発しています。
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今週の言葉、camino verde(直訳すると”緑の道”)ですが、辞書には載っていない俗語の様です。渋滞の多いベネズエラでは、タクシー運転手など、道路のプロが渋滞を如何に避けるかいつも腐心しています。彼らが使う裏技(近道)を、業界用語でcamino verdeと言うようです。
和西辞書を引くと、近道=atajo(アタホ)と出ていますが、近道をする=tomar un atajo等という表現は、中々耳にすることがありません。どなたか専門家にお尋ねしたいと思います。
で、この近道ですが、大統領は6月30日のヘロヘロ会見で国民の不安を煽り、反対派を勢い付けた直後、元気に帰国したことで、大統領派(oficialismo)の人々は益々チャベス氏を「神様のような人」と崇めるようになっているように見受けられます。
自らの病気をも逆手に取って自分の有利な方向に持ってゆく手法、正に王道と言うか、近道を心得た大衆心理操作手法と言えます。
勿論、チャベス氏の道は緑ではなく赤なので、Camino rojoということでしょうが。
因みに緑は野党COPEI(キリスト教社会党)の、白はAD(民主行動党)のシンボルカラーで、その他の政党も独自の色を主張しています。
尚、先週土曜日はカラカス日本人学校の運動会で、日本の伝統に則って参加者を赤組と白組に分けて会を進行したのですが、運動会参加者の半分以上を占めるベネズエラ人参加者の皆さん(貧困層とは異なる層の人々)には、チャベス大統領のシンボルカラーである赤色を応援することにためらいがあったようで、応援合戦の盛り上がり方に明らかな差(白は元気、赤はイマイチ)があったように見受けられました。
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