2017年4月22日
日本の日付は既に変わっていますが、今日4月22日はアースデイと言う事で、発祥の地米国では各地で記念イベントが開催された様ですが、パラグアイでの盛り上がりはいまひとつ、グーグルの玄関サイトに「¡Feliz Día De La Tierra 2017!」というアニメーションが紹介されましたが、市内でイベントが開催されたかどうかは不明です。
https://www.youtube.com/watch?v=ZluwN4HJdk8
さて、二週間前に紹介した憲法改正に向けたEnmiendaの動きですが、今週月曜にカルテス大統領が来年の大統領選には出馬しない意向を発表しました。カルテス氏が再選を目指さない=憲法改正を行わないとなると、貧民層から圧倒的な支持を得て、同じく再選を目指していたルゴ元大統領も出馬できなくなる訳で、これにより、パラグアイの政局は「次は誰?」という事で大勢の候補者の名前が取りざたされるようになっています。
中東メディアAljazeeraもカルテス氏不出馬や背景にあった国内の混乱を報じました。
http://www.aljazeera.com/news/2017/04/horacio-cartes-paraguay-170418003731075.html
強力なリーダーシップで経済をはじめとしてにパラグアイを無名の後進国からOECD加盟すら目指す南米の先頭ランナーへと変貌させてきたカルテス氏には、引き続き政権を担当して国の舵取りを任せたいとする財界中心の意見が多く、本人もそうした声を踏まえて再選禁止の憲法改正を目指していました。
しかし、3月末に発生した首都アスンシオンでの抗議デモと国会玄関放火や、野党事務所での若手リーダー殺害事件等が世界に発信された結果、これまで摂ってきた政策のプラス部分のイメージが帳消しにされただけでなく、パラグアイが先頭に立って批判を展開してきたベネズエラの民主主義蹂躙が、パラグアイでも行われているとの批判が出るに至り、事態を収束するために憲法改正を断念することになったようです。ベネズエラの民主主義迫害は今週も激化していますが、パラグアイは完全に平穏無事に戻っています。
今週金曜日にアスンシオンで日本の国際協力事業団JICAの主催する海外協力隊員の成果発表会が行われ、初めて聴講してきました。発表会の後に行われた懇親会にも参加したのですが、発表も懇親会も素晴らしく、大いに感激した次第です。
何が素晴らしいか?というと、日本から派遣されたボランティアの若者とシニアの人達が、パラグアイ各地の施設に派遣され、そこで地元の生活を改善するための事業に参画し、指導を行うのですが、発表会では派遣先の代表者がボランティアの活躍ぶりを裏付ける謝辞を表し、活動が本当に各地で評価されていることを確認でしたことや、協力隊員がスライドを使ってビジュアルに説明する各地の様子が、当地に駐在していても、普段目にすることのできない場所の事情が理解でき、また懇親会で直接ボランティア諸兄諸姉と会話することで、益々パラグアイの現地事情に触れることができたこと。発表の内容はJICAのホームページにも掲載されますので、是非ご覧ください。
https://www.jica.go.jp/paraguay/office/others/volunteer/index.html
この発表の中で、シニア協力隊員の先生が「パラグアイの南西部の土地は、ブラジルから続く玄武岩が風化した土壌で、有名なイグアスの滝が二段構造になっているのも、火山岩の堆積が二度に亘ってあった結果」との発表をされ、単に地中の酸化鉄含有量が多いから赤いとの思い込みを修正することになりました。
https://www.google.com.py/search?q=tierra+roja&rlz=1C1OPRA_enPE570PE570&espv=2&tbm=isch&tbo=u&source=univ&sa=X&ved=0ahUKEwjV_O_-sLnTAhVKhZAKHW1tA9AQsAQITQ&biw=1600&bih=794
また別の先生がパラグアイ南部のLa Paz地区のコメに触れられ、この地域の日本米の品質や収量は努力次第でまだまだ大いに改善される、とのお話を伺うことが出来、大農業国パラグアイで為すべき指針と考えていたことに間違いが無いとの自信を持つことにも繋がりました。
パラグアイはペルーやブラジルと異なり、日本人の移民は戦後移民が主体で、それをリードしたのがJICAの前身である移民事業団で、そうした事情もあってパラグアイはペルーとならんで最大規模の協力隊員派遣先となっていますから、総員80名にもなる多くの隊員の皆さんと話をするだけで、パラグアイの事情をよりよく理解できることが確認できた次第です。
蛇足ですが、アスンシオンは美食の街としての名声も高めつつあり、その代表格が昨年南米ベスト50レストランにも選ばれたTierra Colorada Gastro(美食の色付き大地)です。この他にも美味しい店は沢山ありますから、普段地方で粗食に耐えている隊員諸君には、年に数回の上京の際に美味しいパラグアイ料理を味わって欲しいとも思います。
📷
http://tierracoloradagastro.com/
因みに、Tierraという単語は大文字で始めると地球ですが、小文字で始まるtierraは不通、地面とか大地、土壌という意味で使われます。地球儀を観ても中々見つけにくいパラグアイですが、南米のど真ん中で豊饒な大地に恵まれた国、今後重要性は高まると考えられますので、引き続きご注視ください。
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