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執筆者の写真Kaz Suzurida

パラグアイの言葉 recuperado(レクペラード)=回復者 英:recovered 葡:recuperado

広島・長崎の原爆投下から75年。ということは、僕はそれから僅か15年後に生まれた訳です。戦争に関する直接の記憶ありませんが、それでも親に連れられて行った浜松の街中の、当時唯一のデパート前の地下道で傷痍軍人がアコーディオンを弾きながら物乞いをしている様子を見て、またテレビで「最早戦後ではない」という言葉を聴いて育った世代としては、二度と戦争は繰り返してはならないとの決意を新たにさせる8月です。


一方、その戦争を潜り抜けた世代の人達から見ても異常と言える現代の伝染病との闘い。パラグアイにおける新型コロナの感染者は本日6705人(先週比+1220)に達し、亡くなった方も72人(+20人)に増えました。


しかし、今日の新聞を観ておやっと思ったのは、Recuperados(回復者)の数が5181人にも達していることです。つまり回復率77%。二週間前の回復率は62%でしたから、ここにきて急激に回復率が上がっていることになります。


世界の平均回復率が61%、日本でも66%ですから、この回復率の上昇は注目に値します。


また、パラグアイ(7百万人)ではPCR検査の数も毎日ほぼコンスタントに1500件以上行われていますが、日本(126百万人)の直近の平均は17000件、人口比でいえばパラグアイの方が検査件数も多いことが判ります。


とは言え、パラグアイは感染抑止の手を緩めていません。

日本の明治維新の頃、当時南米の先進国であったパラグアイは周辺のブラジル・アルゼンチン・ウルグアイを相手に戦争を行い、成人男性の9割が戦死するという悲惨な三国戦争を経験。

更に昭和7年にボリビアとのチャコ戦争を経験し、大幅な人口減や経済の疲弊から回復するのに多大な時間を掛けました。

こうした苦い経験が、現代のパラグアイ人を伝染病に対して臆病なほどシッカリとした対策を立てさせているメンタリティに導いているように思われます。


感染者がゼロに近いチャコ地方でも店舗の入り口では皆シッカリ手洗いをし、検温が行われています。


戦争を知らない世代も戦争の悲惨さを忘れないようにするために記憶を語り継ぐことの重要性を改めて感じると同時に、コロナ禍によるダメージから一刻も早く回復することを望みます。

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