28日に開催されたラテンアメリカ協会のトークイベント、お蔭様で大勢の方々に御参加頂きました。ありがとうございました。
これをキッカケにラテンアメリカ協会の活動に御興味を持って頂くよう、改めてお願いします。
日本では新型コロナの第四波の到来で、報道が沈静化しましたが、少し前に首相の長男がマスコミに取沙汰されていました。
少し遅れてパラグアイでも政界の有力者の身内がパラグアイで最も待遇の良い会社と言われる二つの電力会社に勤めていることが暴露され、縁故主義への批判が炎上しています。
Clanes politicos de las binacionales=政治家一族の二国間事業への関与、つまりItaupu(ブラジル)とYacyreta(アルゼンチン)という二つの水力発電所の運営事業が有力政治家の縁故者で運営されている、という記事です。(abc color紙)
こちらはUltima Hola紙のトップニュース。イタイプ水力発電会社は、ブラジルとパラグアイの二国間事業ですから、当然ブラジルとパラグアイの両国からの社員が働いています。ところが、同じポストであっても、パラグアイ側の給料はブラジル側の二倍であるとの記事です。しかし、これはパラグアイの通貨Guaraniがブラジル通貨Realに対して強くなっている=Guarani高という要素も加味する必要があります。
4年前の2017年の為替水準では、ブラジル通貨は現行レートの二倍近い価値がありました。給与水準というのは頻繁に改訂しませんから、最近のレアル安が反映されていない状況で、パラグアイ側が不当に高給を得ている、というのは筋違いの議論となります。
ただ、パラグアイは現在でもマキラドーラという加工貿易制度で、周辺国よりも安価な労働コストを使って産業の振興を図ろうとしていますので、長期化・固定化するレアル安は今後の外資誘導には悩ましい点であることは事実です。
今日の言葉、nepotismoの語源はカトリック教会の権力者の身内(甥=nephew)を有利なポストに就ける贔屓を意味するもの。
身内や縁故者を贔屓にすること自体は、組織の維持には重要な部分はあります。
一方で機会均等が求められる今の世の中で上手くバランスをとることも重要ですね。
今週は南米各国の教育事情を調べる作業をしましたが、新型コロナによる隔離政策が1年を超えた今、学校の授業もリモートが当たり前、という新常識がパラグアイでも定着してきました。そこで調べてみたのが携帯電話とインターネットの普及率。
携帯電話インターネットメキシコ94%64%アルゼンチン130%73%ボリビア98%42%ブラジル97%66%チリ131%77%コロンビア130%59%エクアドル90%54%パラグアイ104%64%ペルー128%50%ウルグアイ138%66%ベネズエラ58%76%ご覧の通り、インターネットの普及率は各国とも高くありませんが、携帯電話の普及率は100%を超える国が多くあります。つまり、一人1台以上持つケースも多いということ。ちなみに、日本のネット普及率は94%、携帯電話は141%。
何故、縁故主義が重用されたか?というと、昔は情報のやり取りが出来る範囲が対面で話せる相手=血縁者に限られていたからとも考えられます。しかし、世界中がネットや携帯で繋がる今の時代、血縁関係に拠らない新しい縁故が出来上がるようにも思われます。
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