南米各地で発生している騒動の背景に、中国とベネズエラ(とキューバ)の陰があることを先週お伝えしましたが、その陰は台湾との国交を維持するパラグアイにも忍び寄っています。
自然放牧されたパラグアイの牛肉が美味しいことはこれまで何度も触れてきましたし、パラグアイにとって牛肉が重要な輸出産品であることも書いてきました。 その牛肉に大陸が触手を伸ばし、台湾との関係を断つようゆさぶりをかけてきています。中国はパラグアイに対して年間10万トンの輸入枠を用意する、という甘言を以って台湾との関係切り離しを図っている訳です。 一方、台湾はこれまでの輸入枠1万トンを撤廃し、最大2万トンまで輸入を増やす方針を直ちに表明し、両国の関係維持に動きました。 https://www.lanacion.com.py/negocios_edicion_impresa/2019/12/05/las-2-china-se-disputan-la-carne-bovina-premium-paraguaya/ 昨年のパラグアイの牛肉輸出量は40万トンで世界第8位。 https://ourworldindata.org/meat-production 中国の牛肉消費量は年間850万トン、台湾は僅か18万トンで、母数が桁違いなので、主要仕向先であるチリやロシアへの輸出に陰りが出てきている今、牧畜関係者にとって大陸中国がぶら下げるニンジンは極めて美味しそうに映る訳です。
しかし、この甘い罠の陰には、南米諸国へのコントロール強化という危険が伴うことをパラグアイの関係者に理解してもらい、台湾には頑張ってこの競い合いを有利に展開して欲しいと思います。
今週の記事に最近のアスンシオンの空撮写真が掲載されていましたので、ご紹介します。日本は本格的な冬の気候、反対にこちらはこれから猛暑を迎えますが、お互いに健康に気を付けて世界と健全に競い合いましょう。
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