今日はパラグアイの新型コロナにおける暗黒の土曜日となりました。新規の感染者が昨日比231人増えて1942人となり、亡くなった方も二人増えて15人になりました。しかも感染経路が不明のケースが32人、深刻な状況に陥っている中南米諸国の中ではマシな方とは言え、一日でこれまでの最大の感染者を出したことは今後の規制解除スケジュールを更に遅らせることになりそうです。
と、暗いニュースから始まりましたが、明るい話題も。
Tomateros mejoran presentación de productos y logran mejor cotización
パラグアイのトマト産地コロネルオビエド地区の製品の品質向上と共に価格条件も上がってきているというものです。
記事によると、農牧省の支援を得て、トマトの市場開拓を積極的に行った結果、市場の拡大に繋げることができたとのこと。トマトや玉ねぎなどの農産物は隣接するアルゼンチンやブラジルからの密輸品との競争にさらされて苦労が絶えなかっただけに、国内での市況が好転しているとすると良い話と言えます。
今日の日経新聞に「新興国にドル不足の試練」という記事が載っています。
詳しくは記事をお読み頂きたいのですが、南米諸国の通貨の対ドル相場について現状を分析してみます。
ブラジル通貨レアルは過去十年で最も下落。
驚くには値しませんが、アルゼンチンペソも過去最低。これは今後も下がり続けます。
パラグアイのグアラニも下がっていますが、深刻なレベルではありません。ただ、直近1年の下落率では、ブラジル(-42%)やアルゼンチン(-67%)と比べるとパラグアイは-9%、即ち周辺国諸国に対しては大幅な通貨高という事になり、ブラジルやアルゼンチンへの輸出は難しくなる一方、両国からの輸入品は安くなるので、元々より大規模な粗放農業を行っている隣国製品との競争には不利な状況であると言い切れます。
にも拘わらずトマトの国内市況が上向いていること自体は生産者にとっては喜ばしいニュースと言えます。
周辺国に対して強いパラグアイ通貨ではありますが、対米ドルでは長期的には緩やかな下落傾向で、今後もこの傾向は続くと思われますが、食糧しか主な輸出製品を持たないパラグアイの収入は逆に安定しているとも言えます。
為替分析はまた別の機会により多くの国を対象に報告しますが、長期的な観点からは今は南米への投資の好機と考えます。
ブラジル・アルゼンチン・パラグアイ共通の農作物である大豆・トウモロコシ・牛肉の値動きは現時点では必ずしもポジティブには見えません。
食糧の相場は世界の胃袋=中国の動静で大きく変化してきましたが、新型コロナによるサプライチェーン断裂の影響が出るのはこれからです。世界の食糧供給基地と言える南米は、コロナ感染拡大というネガティブなニュースに踊らされることなく、冷静に見積もってみることをお勧めします。
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