一か月前に検疫を示す言葉cuarentenaは、検疫の日数が40日であった事が語源であるとお伝えしましたが、3月16日に始まった外出禁止の移動制限は、本日で41日目を迎えました。(ABC紙によると、Cuarentenaは3月11日に発せられたそうで、そうすると今日は46日目)https://www.abc.com.py/
いずれにしても、当初の予想を遥かに超えた長期の軟禁生活を強いられることになって、多くの市民から不満の声があがっています。
しかし、感染拡大予防を最優先するアブド・ベニテス大統領率いる現政権は厳格な外出禁止を更に一週間延長して5月3日までとし、5月4日からは知的検疫期間”Cuarentena Inteligente”を導入し、感染懸念の少ない業種から順次活動再開を許可する方針を発表しました。
これによると、5月4日以降は業種によって第一から第四までの段階を導入、4日に始まる第一段階は製造業や建設業、5月25日の第二段階は面積800㎡未満の商店や少人数を相手にしたサービス業、6月15日に始まる第三段階は800㎡以上の商業施設(食堂街=フードコートは不可)や運動施設の営業を許可、しかし、飲食業などの不特定多数が集まる業種の営業再開を許可する第四段階の解禁時期については未定としています。
しかし、多くのサービス業従事者が食堂等の飲食関係で仕事をしており、いわゆる社会的弱者が仕事に復帰するのに不適切な計画であるように感じられます。
ただ、政府はPytyvõと名付けられた弱者救済策を講じ、最低賃金(月給Gs.2,192,840=約37,000円)レベルの収入の国民に対しては、賃金の四分の一に相当するGs.548,210=約9,250円を直ちに支給する仕組みを今月初めから実施しており、不満の緩和に努めています。以下はその手続きを紹介した報道ですが、受給対象者はネットで自分の身分証明書番号や住所などのデータを入力、顔写真や身分証明書の表裏を写真に撮って送るだけで手続きが完了するというもの。
https://www.youtube.com/watch?v=Pqy0mCUTexo
日本では居住者一人当たりに10万円支給が決まったようですが、未来の子供達からの借金と言える国債を増発して資金調達する生活支援金が、一定金額の所得のあるレベルにまで「給付」されるのは弱者救済の観点からは違和感を禁じ得ません。
https://www.soumu.go.jp/menu_seisaku/gyoumukanri_sonota/covid-19/kyufukin.html
さて、世界中がコロナ報道一色となっていて、経済関連もコロナ失業に関するものが中心、その他の分野では何がどう動いているか判りにくくなっています。
昨日、ブラジルの法務大臣が辞任したことで、ブラジルの通貨Realが大幅に下落しました。
https://www.nikkeyshimbun.jp/2020/200425-11brasil.html
また、ブラジルに次ぐ南米の大国アルゼンチンがいよいよデフォルトに向けてカウントダウンに入った状態であり、昨年11月の左派政権復活以降不思議と緩やかな下落に留まっていた為替が急落する危険性を孕んでいます。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-04-06/Q8DCETDWRGG601
ここで改めて過去10年間の南米主要通貨の対米ドルレートの変化を観察してみると、主要通貨ではありませんがパラグアイGuaraniがペルーSolに次いで安定した通貨であることがご理解頂けます。
ブラジルReal 下落率:3.65倍
アルゼンチンPeso 下落率:17.19倍
チリPeso 下落率:1.88倍
パラグアイGuarani 下落率:1.77倍
ペルーSol 下落率:1.34倍
コロンビアPeso 下落率:2.32倍
かつてはブラジルがくしゃみをするとアルゼンチンが風邪を引き、パラグアイが肺炎になる等と言われた時期もありましたが、新型コロナを発端とした経済的負の伝染病に関しては、いち早く予防措置を取ったパラグアイが免疫力を発揮している様にも思われます。
ただ、パラグアイ以外の南米諸国で大きな貸付をしている中国が、アルゼンチンやベネズエラで発生しうるデフォルトに直面すると、更なる世界的混乱が生じるリスクは極めて高いものと懸念します。
ところで、パラグアイとウルグアイの区別がつかないと仰る方が大勢おられます。
そこでパラグアイとウルグアイを比較したYoutube番組を見つけたのでご紹介します。英語版ですが、これを観ると両国の違いや雰囲気が少しご理解頂けるでしょう。
https://www.youtube.com/watch?v=vYpTXfQx5kM&feature=youtu.be
公平を期すためにはウルグアイPesoのデータも紹介します。下落率は2.37倍です。
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