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執筆者の写真Kaz Suzurida

パラグアイの言葉 caballero(カバジェロ)=紳士 英:gentleman 葡:cavalheiro

今週は珍しくパラグアイの事件が世界に報道されました。

ブラジル国境の街、Pedro Juan Caballero市の刑務所から76名もの衆人が脱走したというもので、往年の名画「大脱走」を彷彿とさせるトンネル脱走の手口から、早くも映画化を期待する声すら上がっています。  

この事件でパラグアイの刑務所の事情が注目され、今週は色々な記事が掲載されました。以下は全国の刑務所の収容能力(CAP)と実際の入所者(POB.REAL)で、受刑者に対して刑務所の数が圧倒的に足りないことを示しています。


このグラフの下の部分は、どのような犯罪で受刑者が入所しているか?を示しており、窃盗が24.6%で一番ですが、麻薬取締法違反16.2%が二番目に多く、続いて殺人15.1%となっており、麻薬犯罪が如何に深刻であるか?を示すデータと言えます。


今回の事件により、Pedro Juan Caballeroが危険な都市であるとの認識を強めた方も多く居られるのですが、二週間前に市場調査で出向いたPJCの街は落ち着いて住み心地の良さそうなところでした。アスンシオンから約460㎞、6時間弱のドライブも快適でした。


実はPJC市とブラジルのPunta Porá市とは道を隔てた隣同士の街で、国境線が明確に惹かれている訳ではなく、自由に二国間を行き来出来ます。

そして、税率が安いパラグアイの商品を目当てに大量のブラジル人が集まってくる商業都市となっているのがPJCの実態です。


こう書くと、アルゼンチン・ブラジル・パラグアイ三国国境の街Ciudad del Esteを想像する方もおられると思いますが、PJCの街はCDEほど建て込んでいる訳でもなく、標高も670mとパラグアイでは最も高い場所にある街なので、日中の気温もアスンシオンよりは涼しく、街中の治安も良いので生活するのは非常に良い環境であると感じました。

勿論、国境では色々な人たちが往来し、その管理の緩さもあって冒頭の犯罪に関する記載でもあった麻薬や武器のブラジル向け出荷基地になっているという事実もあるようです。

コロナウィルスの対策として、中国では武漢市を封鎖するような措置までとったようですが、パラグアイとブラジルの国境のこの街は、完全な地続きのエリアを二つの国で線引きしただけなので、封鎖は絶対に出来ません。

さて、今週は「パラグアイが核兵器禁止条約を批准した」というニュースも入りました。大国が核戦争のリスクを高める維持の張り合いをしている一方で、小国パラグアイは平和に向けてのメッセージを世界に発信しています。

世界中が紳士・淑女で構成された落ち着いた世の中になることを願って止まない週末です。

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