先週放送されたパラグアイのサラメシ=パラメシは、お蔭様で多くの皆様から応援メッセージを頂きました。ご視聴ありがとうございました。
今週も新型コロナ感染者数は16,474人(先週比3,500人、27%増)、亡くなった方は294人(102人、53%増)と相変わらず猛威をふるっています。
ただ、感染者がゼロの地域(緑色)が国土の半分ほどを占めていて、殆どのケースがブラジル等の隣国から入った人と接触したケースであることが明白になってきています。また一時比率を下げていた治癒者の数も感染者の半数にまで回復してきており、重篤な患者数は必ずしも多くないという状況と思われます。
しかし、慎重なうえに慎重を重ねるパラグアイ政府の対応は、外出制限の再延長を決め、感染者数が増加しているアスンシオン首都圏とブラジル国境地域では引き続き移動の制限が課せられることになりました。
結果として経済的に困窮する人も多く増え、以前ご紹介した社会鍋の活動も厳しい環境にも拘わらずシッカリと行われている模様で、今日のLa Nacion紙には一面にManos Generosas que alimentan(食事を提供する寛大な手)というタイトルと共に社会鍋で貢献する人々の写真が掲載され、特集紙面では4ページを割いてLas ollas populares: el “aguante” solidario a la pandemia(社会鍋:感染拡大に立ち向かう連帯の持久力)として経済的に困窮する人々を救う面々の努力を讃えています。
https://www.lanacion.com.py/gran-diario-domingo/2020/08/30/las-ollas-populares-el-aguante-solidario-a-la-pandemia/
鍋の中身はサラメシでもご紹介した煮込み料理とよく似たメニュー。これも典型的なパラメシです。
厳しい中でも助け合うご互助精神の発露こそ、カトリック教国の強みと言えるように思われます。
日本でも自然災害の度に報じられる光景でありますが、略奪や暴動という方向に走らない国民性は、他の南米諸国とは異なるメンタリティが根付いているパラグアイならでは、と感心させられます。
最近、拙宅の近くの路上でもホームレスを見かけましたが、逆にここまで厳しい状況にあっても、見かけるホームレスの数が一人、と言うのは他の諸国ではありえないことであろうと思います。
今日の言葉aguanteは平手打ちにする=guantearという動詞の変化形で、左の頬を打たれたら右の頬を出せ、というキリストの言葉から、スペイン語では忍耐を示す名詞となっていますが、同時に南米では連帯を示す言葉としても使われています。
厳しい環境に置かれた時こそ連帯して助け合う、パラグアイの社会鍋活動に学ぶところは大きいと感じさせる今日の新聞記事でした。
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