2013年8月31日
今週は金曜日が祝日"el dia de Santa Rosa de Lima"(リマの聖ロサの日)で三連休となったので、久々の青空を求めて、家族を連れて北部の地方都市Cajamarca(カハマルカ)にやってきました。
Wikipediaの記載にもあるとおり、ここはインカ帝国が滅亡する事になった皇帝アタワルパ最期の地であり、昨年は近郊のConga金鉱山の開発を巡り、地元住民と政府・開発会社とが対立、最終的に死傷者を出す事態に発展しましたが、一部の報道にあった記述は、開発を推進しようとする外資(米国)企業をピサロ率いるスペイン征服者conquistadorに観たて、アタワルパを騙してインカ帝国を滅亡させた故事に照らして、二度とこうした失敗を繰り返さない様に、と言う民族主義を徹底的に煽るものであったようです。
実際にCajamarcaを訪ねて見ての印象は、兎に角、青空と空気が綺麗で、地元の人々はリマ以上に素朴な印象でした。しかし、街中にはリマの旧市街以上に多勢の露天商(非正規労働者)が溢れていて、農業と観光に依存するこの街で、感情的判断で鉱工業の誘致を拒んだ事のツケが今後如何なる形で降りかかって来るのか?という事に思いを馳せると些か複雑な心境に陥った次第です。
ところで、先週の新聞記事に目を通していて見つけた興味深い記事は、ペルーの最大手財閥ロメログループがガソリンスタンド(Grifo=グリフォ)の大手チェーンPrimaxの株式所有比率を51%から100%に引き上げたというもの。
記事によると、ペルーには現在3,745のスタンドがあり、Primaxは333を保有し、スペインンのRepsol社と肩を並べる最大手チェーンとのこと。元々、参入障壁が高く、利幅が極端に厚いといわれるペルーのスタンドビジネスですが、超金持ちのファミリー企業がインフラの重要部門を完全掌握するという図式、当たり前と言えばその通りですが、1リットル換算150円超と日本と同じレベルの高価なガソリンが流通するペルーでは、富の集中が他の南米諸国同様に多数を占める低所得者層の反発を招くリスクも内包していますので、今後の物価政策へのかじ取りにも大いに神経を配って欲しいと期待します。正に現代ペルーでもConquistadorの命脈は確実に遺されている証拠でもある訳です。
ちなみに、1994年の約6万件をピークに減少し続けている日本のGSの数は2011年末で37,743軒だったとのこと。ペルーの人口が29百万人(日本の約四分の一)や面積(日本の3.4倍)から比べると、GSの数はまだまだ相当少ないということになります。
もう一つ、今週の大きなニュースは南部山岳地域での異常降雪による自然災害に関するもので、写真にもある通り、約25,000頭のアルパカ・リャマ等の動物が凍死した他、五千人以上の住民が雪の重みで屋根が潰れる等の被害を受け、七万人近い被災者を生み出しているとのことで、今日もウマラ大統領夫妻は、自身の支持基盤でもある同地域を慰問に訪れ、中央政府の支援を強調していました。
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