2010年7月31日
今週も相変わらずコロンビアとの関係緊張や腐敗食品の行方に関する報道が多かった一方、最近報道頻度が高まっている話題のひとつに地下鉄(Metro Caracas)の運行不具合に関するものがあります。
「Este año se han registrado 17.549 fallas en los trenes (今年に入って17549回の電車故障発生 El Universal 7/28)」との見出しで、地下鉄の故障が恒常化しており、電力不足の問題もあったものの、電力供給が回復したとされる今日でもエアコンが殆ど機能していないと指摘、利用者が我慢を強いられていると報じています。
カラカスの地下鉄は最初の路線が1983年に開通し、中心路線であるProptria-PaloVerde間を結ぶLinia1は1989年に全線開通、現在は4路線が運行されており、市民にとっては重要な交通手段になっています。しかし過去二年間で電力が十分に行き渡らなくなったことから、最近では非常にリスクのある乗り物という風に受け止められるようになっています。
それでも通勤・通学には無くてはならない交通手段であることから、ラッシュアワーには駅も電車内も日本並みの混雑となっています。
📷 ラッシュアワーの模様
日本でも地下鉄の車両のエアコンが効かなくなる不具合は時々発生するので、別段違和感は無いかも知れませんが、新聞報道を見る限り、カラカスの地下鉄の不具合は慢性化しており、日本の比ではないことが容易に想像されます。
以前の駐在の際は、出来たばかりの地下鉄に乗って通勤していましたが、今回の駐在では地下鉄が危険であるとして、利用の機会もめったに無いのが実情なので、詳細は判りませんが、現在でも利用料金が一回(距離は不問)BsF.0.50と、公定レートBsF4.30/$で割っても日本円換算で10円と、極めて安価な移動手段であるには違いなく、大統領を支持する貧困層を中心に利用者は路線が拡大する度に増え続けています。(地上の乗り合いバスは一回BsF1.50、地下鉄路線は今後も拡大予定)
したがって地下鉄の運営の安定化は、本来重要な政策課題となるべきなのですが、故障や不具合に対して極めて寛容なベネズエラ人の気質では、新聞が指摘しているように「大事故が発生するまで問題は顕在化しない」のかも知れません。
Comentarios