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執筆者の写真Kaz Suzurida

ベネズエラの言葉 Censura(センスーラ)=検閲・非難 英:Censure

2010年8月21日

先週金曜日のEl Nacional紙一面全面でBello Monte遺体安置所(La Morgue)の写真が掲載されたことで、政府側と報道側との緊張が高まっています。


El Nacional紙に掲載された写真は、少年を含む多数の犯罪被害者の遺体が、安置台の上だけでなく、床にゴロゴロ置かれていて、まるで畜肉屠殺場のようなイメージで写っており、本当に目を背けたくなるようなものでした。この写真に、ベネズエラで毎日30人以上が銃犯罪の犠牲者になっているとの解説が付けられており、現在の非安全を糾弾する内容の記事に仕上げられていた訳です。


政府側は直ちにこの記事に反発し、17日、青少年保護裁判所からEl Nacional紙に報道抑制の判決を言い渡し、メディアによる残酷なイメージの写真や、読者を不安に陥れるような記事の掲載を禁じる措置を講じました。


しかし、主要報道機関は一斉にこれに異議を唱え、こうした報道規制は言論の自由を規定した憲法57条・58条に違反するとして「NO A LA CENSURA(検閲に拒否を)」のメッセージを発することになりました。

以下はEl Universal紙の紙面で、一面最上段にこのメッセージが刷り込まれています。

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また、問題の発端となったEl Nacional紙は、NACIONALのOの字の中に猿轡を咬まされたピースマークと、それに反対する斜線を配したイラストを盛り込み、政府の言論規制に強く反対する姿勢を示しています。

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勿論、政府寄りとされるUltimas Noticias紙にはこうしたメッセージも記事も記載されていません。


しかし、現在首都カラカスと近郊都市マラカイ(Maracay)で開催されている女子野球世界大会の昨日の試合結果(ベネズエラ0-日本10)は、紙面には掲載されているものの、電子版では女子野球(Beisbol Femenino)の記載が一切無く、相変わらず不思議な雰囲気を醸し出しています。


因みに一次リーグを首位で突破した日本チームは、二次リーグでも4勝1敗、ベネズエラと並んで首位を並走しています。3位は3勝2敗のオーストラリア、4位は2勝3敗の米国とカナダ、6位は全敗のキューバとなっています。


ここ1~2年の間、政府系の会社で働く人たちは、「会社のメールは全て検閲されている」として、本音の連絡はメールでも電話でも一切行わず、面談とブラックベリーのメッセンジャーを通じてのみ本音トークをしてきましたが、インターネットでの言論を規制しようとしていた大統領が、半年前に一転して利用派に転じ、特にブラックベリーを通じてトゥウィッターを利用するようになると、BBメッセンジャーの利用すら警戒するようになってきています。


9月26日の選挙を前に、キューバの諜報機関をフル活用して言論統制をかけようとする政府側と、外国メディアの力をも借りて政府の不正を唱える反対派との宣伝合戦は激しさを増してきています。

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