2011年10月30日
1年ぶりに日本に出張して来た為に、ニュースを毎日フォローできていませんでした。
そこで、気になった二つの増加のニュースを御紹介します。
両方とも大統領の支持を得たもので、最初はセメントの価格。2003年以来据え置かれていたという価格が1袋BsF.15からBsF.20に上がるということですが、毎年30%近いインフレ率で価格が上昇しているベネズエラにおいて、2008年に一斉に国有化が宣言・実施されたセメント業界は既に疲弊しきっており、この程度の値上げ承認があったと言っても、簡単に業績が回復するとは考えられません。
Chávez autoriza aumento en los precios del cemento
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もう一つは、軍人給与の昇給のニュース。
本人も軍人出身である大統領は、2002年のクーデター未遂、2003年のゼネストを切り抜けた功労を認め、これまで定期的に軍人の給与をインフレに合わせてあげてきました。しかし、下士官である少尉の給与がBsF.3,750、最上級の大将がBsF.11,850となっていますが、士官とは言え、最下位に当たる新社会人相当の少尉の給与は、最低給与に近いものであり、本当にこの水準で体制を維持できるのかどうか?非常に大きな疑問となります。
更に、大統領が優遇している軍人の給与ですらこのレベルであるとすると、警察官や医師、教員といった職業の人達のレベルが如何に低いか、推して知るべしということでしょうか。
因みに、公定レートはBsF.4.30/$ですから、 少尉の月給はUS$872、大将であってもUS$2,755しか得ていないのか、或いは他の収入があるのか?謎は深まるばかり。そう言えば、大統領の月給は2年前にBsF.2,200と宣言されていたように記憶します。
📷昇給発表を揶揄するRaymaさんの漫画。
日本でも政治家の給与引き下げが話題になっていますが、実態が益々見えなくなっているというのがベネズエラの現実です。
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