2010年11月27日
早いものでいよいよ11月も終わり、一年最後の月を迎えようとしています。
カラカス市内もクリスマスに向けた飾りつけがあちこちで行われ、取引先の事務所にもクリスマスツリーやナシミエント(Nacimiento)という聖人生誕の様子を模した人形が飾られ、すっかり年末準備完了という雰囲気になってきています。
ベネズエラで生活していて忘れてはならないのが、身の回りの世話をしてくれる人達への心付け=アギナルドです。
これは雇用者と被雇用者の立場が明確な関係(家政婦や自家用車の運転手など)のみならず、アパートの管理人やゴルフクラブの従業員といった、普段接していて世話を焼いてくれるあらゆる人達が支払いの対象となり、この出費だけでも結構な金額に積み上がります。
もともと、Aguinaldoというのはカリブ地方のクリスマス音楽のジャンルの一つだったようですが、小生はこの20年間でアギナルド音楽を聴いた記憶はありません。インターネットで検索すると、60年前のアギナルド演奏隊の写真が出ていました。
📷1953年に撮影されたアギナルド演奏隊の写真(カラボボ州)
📷現代メキシコのマリアッチ
この写真を見ると、メキシコのMariachとよく似たいでたちで演奏していた様子が伺われますが、今のベネズエラでこうした格好を見かけるのは、結婚披露宴等でたまに見かけるマリアッチだけで、アギナルド演奏隊は絶滅したものと思われます。
一方、アギナルドに代わってよく聴かれるのが、マラカイボに端を発するGaita(ガイタ)という音楽で、クアトロ(Cuatro)という小型の四弦ギターにマラカス、Tambor(太鼓)とチャラスカ(Charrasca)という鳴りモノで演奏され、大勢で合唱する賑やかな音楽で、正直なところクリスマスの厳粛なイメージとはかけ離れた賑やかなお祭り音楽です。これが9月頃からラジオで流れるようになると、もう人々の気分はクリスマスモードに切り替わってくる訳です。
また、この時期の特徴的な街の景色がクリスマスツリー(Arbol de Navidad)や飾り(decoraciones)の街頭販売です。
クリスマスツリーを飾るのは今や世界共通の行事ですが、北緯10度とは言え、赤道に近い(ベネズエラ領土は全て赤道以北)ベネズエラなのに、樅の木の生木が至るところで売られていて、22年前に初めてこの光景を見たときは驚きましたが、外貨不足が叫ばれる昨今でも、カナダから輸入されたモミの木が町中で見られるのです。今年の相場は2m前後のモノでBsF.1,000~2,000程度。中国製の模造品も同じ様な値段ですが、家に飾ったときの樅の(というか杉の)香りは格別で、多くの人達がクルマの屋根に括りつけて生木を買って帰る様子が見られます。生木ですからクリスマスの間は良いのですが、年が明けると枯れて大量の葉を落とすので、この掃除は本当に大変で、生木を飾る家ではアギナルドも弾まなければならないかも知れません。
今週も雨は降り止まず、日本の梅雨のような天候が続きました。太陽が照らないので、気温も下がって朝晩は15℃位まで下がり、日中でも20℃から26℃と、カラカスとしては肌寒い日々が続きました。この雨の影響で、ゴルフ場も二週間続けて閉鎖となり、昨晩カラカスと空港を結ぶ高速道路にあるトンネル近くでは地すべりが発生、現在も通行が遮断されている模様です。
📷土砂崩れで崩壊したカラカス郊外貧民街の家屋
📷冠水した東部アンソアテギ州の集落
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