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執筆者の写真Kaz Suzurida

ブラジルの言葉 trave(トラヴェ)=梁・桁・支柱 英:post  西:puntal

2014年6月29日

一週間引っ越しの為にリマに滞在し、土曜日の早朝着便でサンパウロに戻りました。


ワールドカップは相変わらず、試合が始まると盛り上がり、街中では大した喧噪も無く、という雰囲気ですが、昨日の午後はいよいよ16強による後半トーナメントの開始、しかもいきなりブラジル対チリの南米対決で、試合開始前からテレビはひたすらBelo Horizonte(美しい地平)会場周辺や全国各地のパブリックビュー会場に集まった応援の人達にインタビューを仕掛け、大変な盛り上がりとなりました。


試合はサンパウロ市内でもサッカー応援で有名なMadarena地区の和食屋で観戦しましたが、既に一次リーグで敗退した日本人の姿は殆ど見えず、ブラジル人が大画面の放送を求めて押しかけていました。

また、この地区全体に大変多くの人達が集まって、人気の無かったパウリスタ大通り周辺とは全く違う様相でした。


結果はご存知の通り、ブラジルの辛勝(と言っても、主審の判定が何故かブラジルに非常に厳しく、本来なら2-1で勝っていた試合)で、しかも延長で決着が付かずにPK戦に持ち込まれ、尚且つ最後のシュートで決まったので、今日の新聞Folha de S.Pauloの一面見出しは「Júlio César e trave salvam Brasil de vexame em casa(ジュリオ・セザールとゴールポストの御蔭でブラジルは地元での屈辱から守られた)」というモノで、ゴールキーパー セザール選手は昨日からブラジルの大英雄になりました。

(逆にあれで負けていたら、彼方此方で暴動が発生したのでは?とも思えます。)

📷

今日のこの一面の一番下に、民間調査会社J.D.Powerブラジル法人が現代自動車に今年の消費者調査での優秀賞を贈ったとの宣伝が入っていますが、ほかにも第五面全面を使ってこの受賞を示し、また自動車特集(も含め本日も102ページ)のページでは同じく一面広告でHB20Sと言う車種とホンダのCity(日本で売ってた懐かしの車種ではありません)とを比較したりして現代だけで6ページもの全面広告を打っています。 日本車の宣伝は全く無し。うーん、サッカーでは共に一次リーグ敗退でしたが、ブラジル市場に於ける自動車販売での戦いでは日本勢はいささか劣勢に立たされているのでは?と思われます。

そもそも高物価のブラジルで、自動車の値段は本当に割高で、我等が三菱車の価格でも、ASXがR$.85,990-109,990(約¥46/R$)、LancerはR$.67,990-98,990とギョッとするような価格設定となっています。 前述のHyundai HB20はR$40,995-57,740、ホンダCityはR$.50,990-57,460となっていて、この国でクルマを所有することの大変さがご理解頂けるのではと思います。(数値はFolha紙の自動車特集参照) 最近はブラジルもインドも景気が低迷気味と日本で報じられていますが、街の様子を観る限りは、W杯による閉じ籠り症候群(自宅TVで試合観戦)の影響はあるでしょうが、少なくともブラジルが勝ち進む限りは、楽観的な見方が国内を支配するようです。ただ、次の試合でも相手チーム(コロンビア)が支柱にぶつけてくるかどうか判りません。経済の支柱をしっかり立てることが今後のブラジルを占う重要な課題であることには変わりありません。

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