2016年10月8日
9月は当地新聞は眞子内親王殿下のパラグアイ訪問で盛り上がりましたが、10月に入っても日本人が一面トップを飾りました。勿論、ノーベル生理医学賞を受賞された大隅良典東工大栄誉教授のニュースです。
この日は丁度ブラジルのテメル大統領がパラグアイを訪問、南米南部共同市場Mercosurの方向性や世界最大の水力Itaipu発電ダムの将来について話し合ったようですが、8月末に正式に大統領の立場になって一カ月強で、早速パラグアイを訪問してきた事は、現在の南米におけるパラグアイの重要性を理解する上で重要なイベントであったと思われます。
ノーベル賞とブラジル大統領来訪を一面で同時に告げるLa Nacion紙(10月4日) 📷
先週のニュースになりますが、イタリアのミネラルウォーターSan Pellegrino社が主催する「ラテンアメリカ最上のレストラン50」が発表されました。
1位は昨年と同じペルー・リマのセントラル。2位には同じくリマの日本食レストラン「毎度」が選ばれました。「毎度」は未だ新しいレストランで、この10年ほどの間に急成長したペルー料理というカテゴリーの中で、日本食とペルー料理を融合した若手オーナーシェフ津村氏の手腕は、中南米における日本食の地位をさらに向上させるのに大いに役立っているように思います。
この上位50選の中に、パラグアイからは1店のみが選ばれました。47位のTierra Colorada Gastroです。
店の名前は「色付き胃の大地」とでも直訳されるかも知れませんが、恐らくオーナーは「美食に染まった大地」と言う趣旨で付けた名前と思われます。
有名レストランの少ないパラグアイですが、かつてのペルーもお世辞にも美食の国とは言えなかった土地柄でした。それを、米国で活躍する松久信之さん(Nobuのオーナー)や、残念ながら4月に亡くなったToshiro'sの小西紀郎さん、リマ一番の和食レストランFujiの深澤宗昭さんなど、偉大な日本人シェフ達がペルーで日本食を広めることで、Ceviche等ペルー料理のレベルを引き上げた歴史の上に成り立っていることを思うと、パラグアイでも川魚などのユニークな食材を使って、世界に冠たるパラグアイ料理に育てて行く夢も持ちたくなるというものです。
また、同じく9月に発表されたワールドステーキチャレンジという牛肉の食味比較イベントで、パラグアイ産の牛肉がアルゼンチンやウルグアイ産よりも上位の銀賞に輝いたことも、明るいニュースとしてご紹介します。
今日の言葉restaurarは、動詞では復興・修復するという意味ですが、実はレストランという名詞の基になった言葉です。旅人が疲れた身体を修復するために胃袋を満たす場所、それがRestaurantである訳で、経済的に大きな行き詰まりを見せる南米諸国でも、先ずは食文化を一層振興し、経済をRestaurarすることが重要と感じる食欲の秋の一日でした。 (パラグアイは春なんですが。)
末尾ながら、阿蘇山の噴火で被害を受けた周辺地域の早期復興をも地球の反対側からお祈りしています。
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