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執筆者の写真Kaz Suzurida

パラグアイの言葉 frigorifico(フリゴリフィコ)=冷蔵庫・冷凍工場 英:fridge/freezer 葡:frigorifico

2017年3月25日

先週末、ブラジルで発覚した肉製品の不正事件(ブラジルではcarne fraca=腐れ肉事件と呼ばれています)は、パラグアイでも一週間の最大級のニュースとして扱われました。

日本でも多くの報道がなされていますが、詳しくは以下のブラジル現地情報サイトをご覧ください。

今回の不祥事で、輸入各国がブラジル産肉製品の輸入を見合わせると相次いで発表された当初は、パラグアイには特需が来る、との見方もありましたが、輸入国の中にはブラジル=メルコスル諸国との定義で、アルゼンチン・パラグアイ・ウルグアイにも疑惑の目を向ける動きも出て、GDPの三分の一を牛肉関連が占めるパラグアイにとっても、非常に厳しい状況となるとの懸念も出ていました。

しかし、本日のLa Nacion紙電子版によりますと、パラグアイの牛肉加工メーカーであるFrigorifico Guarani社の製品が欧州連合から直接輸入のお墨付きを得た、と報じられています。

Frigorífico Guaraní consiguió habilitación para exportar sebo bovino a la UE(ガラニ冷蔵社はEUから牛脂製品の輸出承認受ける)

品質管理に厳しいEUから直接輸入の許可を得たとのことですが、記事によりますと、これまでは同社製品は一旦ブラジルに輸出され、ブラジル製品と共にブラジル産として各国に輸出されていたもので、今回の承認で晴れてパラグアイ産との認知が欧州でされることの意義は大きいと伝えています。

隣国の不祥事で得点を稼ぐ訳ではありませんが、パラグアイでは数年前に口蹄疫疑惑が発生し、輸出管理を厳しくした経緯もあり、パラグアイ産の畜肉製品の品質は信頼度が高い、と地元社会でも言われています。


ところで、今週は国連とコロンビア大学が共同で「世界幸福度ランキング」を発表したとCNNエスパニョールで報じていましたが、パラグアイでは本件は目立って報道されませんでした。

恐らくは、70位という順位がパラグアイ人のプライドを傷つけたものと思われます。

以下、その内容をご紹介しますと、中南米ではコスタリカが12位、チリ20位、ブラジル22位、アルゼンチン24位、メキシコ25位、ウルグアイ28位、グアテマラ29位、パナマ30位、コロンビア36位、トリニダード・トバゴ38位、ニカラグア43位、エクアドル44位、エルサルバドル45位、ベリーズ50位で、51位の日本より上位。

https://s3.amazonaws.com/sdsn-whr2017/HR17_3-20-17.pdf ボリビア58位、ペルー63位、パラグアイ70位で、71位の香港より上。 中国が79位で南米の支援国ベネズエラ82位と拮抗。 他の統計で世界一のブータンは97位。ハイチが145位で中南米最下位。 世界一位のノルウェーは行ったことが無いので判りませんが、中南米のランク付けの順位には大いに疑問が残ります。 今週末は一年半ぶりにペルーのリマを訪問しており、町の変貌ぶりを観察してきましたが、アスンシオンの劇的な変化と比べると、リマの勢いは少し足踏みしているように見受けられます。 ペルーでは、先週末の豪雨で北部ピウラや南部アレキパ等で洪水が発生、首都リマでも市内を流れるリマック川が一部で氾濫し、鉱山からの貨物鉄道線路が断線するなどの大きな被害を出しています。 http://www.afpbb.com/articles/-/3121909?pid=18830954 今日ご紹介したFrigorificoという単語は特定の社名に使わているだけではなく、ラテンアメリカでは一般的に肉屋さんの略称にもなっており、冷蔵するものと言えば、肉となるのが南米発想。 しかし、何処に行っても停電で品質が劣化するリスクも内包しています。 幸せと不幸せは直ぐ傍に居ると言われますが、中南米で一番元気と言われたペルーを襲った天災の様子を見ると、好事魔多しの例えを引きまでもなく、パラグアイも降ってわいた特需に舞い上がることなく、地道に産業の育成を続ける為に、コールドチェーン等のインフラ整備の拡充だけでなく、天候対策も必要ということを改めて感じた週末です。

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