アルゼンチンの大統領予備選が先週の日曜に行われ、2015年から経済改革を推進してきた現実派のマクリ大統領が大敗したことを受け、アルゼンチンの通貨ペソが大幅に下落しています。
この結果、通貨の安定しているパラグアイにペソ安で弱くなったアルゼンチンの物資が大量に流入してくることが懸念されています。国境を陸で接する隣国とは、そうでなくとも多くのモノが正式の通関の手続きを経ないで行き来することが多く、パラグアイ経済に少なからぬダメージを与えることが懸念されており、そうしたContrabando=密輸品の流入に立ち向かう為に政府も本気で規制を強化する姿勢を示しています。
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大統領府の前で密輸規制強化についてインタビューを受けるCramer商工大臣(中央)
これまでもパラグアイ通貨が南米で最も安定した通貨であることはお伝えしてきましたが、改めて最近の周辺諸国の為替変動グラフを以下に示します。
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パラグアイ通貨Guarani(PYG)は年初からの振幅=約7%
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アルゼンチン通過Peso(ARS)は年初から60%近い暴落
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ブラジルReal(BRL)は振幅12%
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ボリビアBolivar(BOB)は、ほぼ変動無し!
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ウルグアイPeso(UYU)も10%の下落
トランプ大統領が中国に仕掛けた経済衝突で、世界中の経済に混乱が生じている訳ですが、南米の場合最も脆弱な経済基盤のアルゼンチンが再び左派ポピュリズム政権に舵取りをされることになると、周辺国家はアルゼンチンとの付き合いを大幅に見直す必要を迫られます。
二年目を迎えたMario Abdo大統領の経済危機の懸念に立ち向かう毅然とした政権運営を期待したいところですが、先のイタイプ水力発電所の契約をめぐる問題で与党内からの突き上げも厳しく、大変な状況を如何に打破するか?大きな課題を背負っています。
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